中古の私が売れるまで

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中古の私が売れるまで(1)

中古の私が売れるまで(1)

中古住宅が売買されるまでには、いくつもの物語があります。売主、買主家族、不動産業者などの売買に関わる人たちには生活があり、人生があり、考えも思いもさまざまだろうことは想像に難くありません。

そして、もし“家”そのものにも感情があって思いがあるとしたら?
“家”はどんな思いで自分が売買されていくのを見つめているのでしょう。
そんな“家”の視点から見た中古住宅売買のストーリーを連載します。

主人公は“家”こと私。売りに出されることになった中古住宅の“私”は、果たして幸せになることができるのでしょうか?

(第1回)幸せな一家が大切に暮らした家

私が生まれたのは1981年の夏。人間でいうとアラフォーということになるのかしら。
ちょっぴりくたびれて見える箇所もあるし、あちこち傷んではいるけれど、見た目はまだまだキレイと言われるわ。

それというのも、私という“家”を建て、暮らしてきた家族は、とっても私を大切にしてくれたから。

私が完成するまでに、何度も施工業者と打ち合わせをしたというこだわりの間取り、たっぷり日差しが注ぐ大きな窓や、当時では最新のシステムキッチン。収納はちょっぴり少ないけれど、最近の“若い家”とは違った魅力があって私自身でも気に入っているところがたくさんある。

中でも私のお気に入りは、完成するのと同時に植えられた庭のカエデ。リビングからも子供部屋からも見えて、いつも私と家族たちの目を楽しませてきた。一緒に年を重ねてきた素晴らしい友人の一人でもある。

私を建ててくれたのは当時30代後半のご夫婦。小学生の男の子、幼稚園の女の子、越してきてすぐに、もう1人男の子が生まれて、5人家族でここで暮らしていたの。

奥さんはとってもキレイ好きで、いつでも家中をピカピカにしてくれていたわ。
時々“友達”の話を風の噂で聞いたりするのだけれど、全然お掃除もしないし、ゴミを何年も捨てずに家中に溜め込んでしまう人もいるんですってね! そういう環境の友人は、同世代でもやっぱり劣化が早いと聞いたりするので、私は幸運だったのね。

そんな私でもヒヤヒヤした経験ももちろんある。赤ちゃんだった男の子が、油性ペンで真っ白い壁を落書きだらけにしてしまった時や、きょうだいがボール遊びで窓を割ってしまった時、反抗期を迎えたお兄ちゃんが子供部屋の壁をパンチして穴を空けてしまった時なんかは、心も体も痛かった。その都度、修理をしてもらったけれどね。

子供たちのいたずらなど壊れてしまった箇所はわかりやすいけれど、私たち家って丈夫に見えたり、一見何の問題もなそうに見えたりする箇所でも時間の経過ともに自然と傷んでいることも多いの。

特にキッチン、バス、トイレ、洗面なんかの水回りや外壁なんかは定期的なメンテナンスや部品の交換が必要よ。部品も古くなると交換できなくなったりするので、丸ごと新しいものに交換しなければならないし、家を維持していくってお金がかかるのよね。

そしてもちろん家を建てることそのものにもお金がかかる。ご主人も奥さんも「家のローンが終わるまでは」と自分たちの贅沢はできる限り我慢している姿も見てきたわ。1番下の子が小学生になる頃には「家計のために」と奥さんは近所のスーパーでパートを始めたし、ご主人も毎日遅くまでお仕事を頑張っていたもの。

こうして大切に暮らしてもらった私だけれど、時間の流れは誰にも止められないもの。何年も前に子どもたちは全員大きくなって家を出てしまったの。

夫婦2人だけになると、なんだかどこもかしこもがらんとしてしまって、一気に寂しくなったわ。若くて家中を動きまわっていた奥さんも、最近では2階に上がって洗濯物を干したり、家中を掃除するのはもちろん広いリビングを掃除したりするだけでも辛そう。

そんなある日の朝、ご主人が新聞の折り込みチラシを見ながら言った。チラシには「介護付きマンション」の文字。

「この家、売りに出して、こういうところで暮らさないか?」。

とうとうこの日が来てしまったのね。
私、売られちゃうの…?
というかその前に私って貰い手がつくのかしら…?

 

大丈夫よね!?
だって私、大切に暮らしてもらったし、まだまだキレイだし…。(続く)

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