中古の私が売れるまで(7)

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スミタス小説「中古の私が売れるまで(7)」

スミタス小説「中古の私が売れるまで(7)」

中古住宅が売買されるまでには、いくつもの物語があります。売主、買主家族、不動産業者などの売買に関わる人たちには生活があり、人生があり、考えも思いもさまざま。

そして、もし“家”そのものにも感情があって思いがあるとしたら?
“家”はどんな思いで自分が売買されていくのを見つめているのでしょう。
そんな“家”の視点から見た中古住宅売買の物語第7弾。

家主の高齢化により、売りに出されることに決まった主人公の“家”こと私。大手の不動産会社の担当者に言われるまま“高額で売却”“現状引き渡し”などの一見、売り手には好条件とも思える内容で家を売り出すことになったのはいいけれど、なかなか買い手がつきません。

“私”を売り出すための広告に力もいれていないようで、不信感が芽生え始めた頃。一組の家族が初めて“私”を内覧に訪れましたが結果は芳しくなく…。ついに担当者から値下げを提案されてしまった“私”。果たして家主夫婦はどのような決断をするのでしょうか。

(第7回)不動産会社探し、仕切り直し!

“私”の値下げを提案した担当者によると、引き続き単純に値下げして私を売り出すのも良いけれど、築20年以上も経っている私は、実は仲介によるエンドユーザーへの売却よりも、買取業者に購入してもらった方が良いのだとか。

買取業者に私を“仕入れ”してもらい、付加価値をつけて再び販売する。という流れになるみたい。当初の予定通り、そのまま買主に売却するよりも価格が下がるというのはいわば必然なのだと、担当者は力説するけれど…。

「今さら?」という気持ちもあるけれど、私も売れ残りは嫌。それに長い年月を一緒に過ごした庭の木たちもみんな一緒に、現状のまま引き渡されるのは、ご夫婦の手間も省けるし魅力的な気がしていたけれど…。なんだかやっぱりくたびれたまま、商品として人に見られるというのも、私自身ちょっぴり恥ずかしい気がしてきている。

「結局、この家は最初に提示された金額では売れるわけもないし、リフォームも必要、ということなのね。リフォームについては何度も私、そう尋ねたのに…」。
担当者が説明をして帰った後、奥さんは不満そうに言った。

「今になってみると、この提案をするためにわざと売れない条件を出して、売れない期間を長引かせていたんじゃないかとすら思えるな」
とにかく私を高く売ることにこだわっていたご主人も、いろいろ考えるところがあるみたい。

買取業者に買い取ってもらうことで仲介手数料が発生する上、価格もぐっと下がってしまうみたい。それだとご夫婦の想定より、ずいぶん手元に残る手取り額が減ってしまう事になる。

「とにかく、もう少し調べてみましょう。そしてやっぱり、不動産業者も変えた方が良いと思うの」
奥さんは力強くいうと、パソコンに向かい始めた。

インターネットやご近所、友人から情報を集めること1週間。

私が建つエリアからはちょっぴり離れていて、今まで目に入っていなかったある企業に奥さんは注目しているみたい。

「不動産業に加えて、リフォームやインテリア業も事業内容に含まれているのか」
ご主人も興味津々の様子。

「それにこの会社で取り組んでいる“建物診断”というの? これを受けてみたいのよね。私たちが気づかないこの家のことがわかるでしょう。よく考えたら、この家の建物としての価値は、不動産業者ではなく建物のプロに判断してもらうべきよね」

そう。私もそこが気になっていたのよね。私の本当の価値を知りたいって。

奥さんが調べたところによると、建物診断というのは、インスペクションともいうらしいけれど、住宅に精通した専門家が行う診断によって、劣化状況や欠陥、改修が必要なところや費用などがわかるのだとか。

アメリカなんかでは昔から当たり前に実施されていることみたいだけれど、最近は日本でもこの言葉が少しずつ浸透しているそうよ。

「うん。いいんじゃないか。ここに一度、査定してもらうことにしよう。仕切り直しだな」

“私”を売却するにあたり、ことごとく意見が分かれることが多かったご夫婦だけれど、ようやく同じ方向を見はじめている感じ。なんだか私も希望が持てそうよ。

でも、あちこち調べられるのってちょっとドキドキする。パッと見は十分美しいはず、と自信を持っている私だけれど、何せ築40年近く経っているし…。(続く)

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